お知らせ事務局から

佐世保就職セミナー OB面接官寄稿

お知らせ 2022.06.01

佐世保就職セミナー OB面接官寄稿

令和4年6月に発行した会報にも掲載させていただきましたが、令和3年度就職セミナーで面接官としてご協力いただいた関東支部関和晋様より寄稿文をいただきました。
文字数の関係上こちらに全文を掲載させていただいております。
この度はお忙しいなかご協力いただき、誠にありがとうございました。

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二〇二一年十一月十三日、久しぶりに「佐世保就職セミナー」に模擬面接官として参加した。昨年は新型コロナ感染症の影響で開催が中止となっていたが、今年は初めての「オンライン」での開催となり、母校に訪れることなく参加できることとなった。
多くの企業においても「オンライン」での選考を行う機会も増え、中には選考過程すべてをオンラインとする企業も出てきたほどである。また、企業が集中する都市圏以外の学生にとって、オンラインは移動の問題(時間及びおカネ等)を解消できることや、企業側も、大勢の学生のために会場を手配など、コスト面でのメリットもあるため、今後コロナ禍が落ち着いても、この形態での選考は続くものと想定される。そういう背景もあることから、今回のオンライン版「佐世保就職セミナー」の開催は意味のあるものであったと考える。少し、当日の流れに沿って振り返ってみようと思う。

セミナーは、九時から十五時頃までの開催となり、OB面接官は長時間の慣れないオンラインによる疲労と負担を考慮され、午前組と午後組に分けての参加となった(人数調整の関係で、私を含む二名は全日程参加であった)。

今回は、ZOOMというオンラインツールを利用して、ブレイクアウトセッションという「小部屋」に分けられる機能を使って進められた。この手のツールも世の中に多く出ているため、企業によって使われるツールは様々であり、何を指定されても対応できるスキルが学生に求められることとなるのも、オンライン形態ならではの事情でもある。

学生五~六名が一グループとなり、ひとつの「部屋」に学生二グループと、OB面接官および四年生の面接官(こちらも五~六名)が割り当てられる形となって進められた。これはリアル(対面)開催での、各ブースに分かれるのと同じである。

開会式:
当然オンライン開会式である。正直リアル開催ではないので「開会式など要るのか」とも思っていたが、学生支援部長と鵬友会会長の挨拶と続く中、画面から見る参加者の顔も引き締まってくるように感じ、気持ちを切り替える切っ掛けとして、こういうセレモニーも必要なのだと改めて感じた次第である。

午前中:集団面接
午前の部は「集団面接」。個人面接とは違い、同じ質問を学生に向けて行うもの。
リアルでは「同じ場所(部屋)」で、数名が並んで座り、他の学生も側にいるという緊張感があるが、オンランでは「それぞれ別の場所(自分の部屋)」で、画面に映る他の学生と面接官を見ながらになる。物理的に同じ空間にはいないが、オンライン上では「同じ場所」にいる、という感覚となる。
学生一人当たりの時間は五分程度、「自己PR」「コロナ禍の時期の中で、それぞれ「大学生として」何に力を入れてきたか」を学生達に向けて問いかけ、一人ずつ発言を聞く。学生も事前準備は行ってきていたようで、話し方や姿勢、態度など基本の所作は良くできていた印象であった。
全員の学生の発言が終わったところで、面接官からのアドバイス。OBもそれぞれの今の立場から、普段は中々聞けない「生」の社会人からのアドバイスは学生を惹きつけていたように見えた。画面の背景にある鏡に写る部屋の中など、注意してはいても見過ごす点など、オンラインならではの指摘も出されていた。特に直近の就職活動を経験してきた四年生の話は学生にも響いていたようであり、アドバイスは照明や画面の写り方などに及び、学生も身を乗り出して聞いていた。全体の時間を気にしながらも、しっかりとアドバイスをされるところは、さすが自ら手を挙げて参加されたOBと、早々と内定を獲得した四年生だと感じた。

ランチミーティング:
午前の部が終わり、午後の部の間に「ランチミーティング」が行われた。リアル開催であれば用意された昼食をいただきながらの歓談になるが、オンラインだと画面越しとなる。「昼食を食べながら」というのもやりづらいのか、私のグループでは、学生もOB面接官も「ランチしながら」という状況にはならなかった。ただ「ランチ・ミーティング」自体は結構楽しく盛り上がり、特に私のグループでは公務員志望の学生が多くいたことから、公務員に決まっている四年生からのアドバイスに真剣に聞き入って様子がうかがえた。
時間は少し短いとも感じたが、学生も緊張の連続での疲れも想定されるため、丁度良かったのではないかと思っている。
また、オンラインでやってみて、改めて「場づくり」も大事だと感じたこともある。これは年長者でもあるOBが率先して仕切り役となり学生から言葉を引き出し、ひとりの発言を皆で共有し考え、その発言を起点に話を拡げるといった事が、リアルではある程度目配せなどでできることが、オンラインでは全て言葉で進めないといけないことがとても難しいとも感じた。

午後は「グループディスカッション(集団討議)」。
午後は「グループディスカッション(公務員試験では「集団討議」と呼ぶこともある)。午前から同じグループでもあるため、幾分馴れてきた感じであり、リラックスしている感じも伝わってくる。
グループディスカッションは、与えられたテーマに沿って議論し、時間が終わったらグループでの結果を発表すると言うもの。
リアルであれば、同じテーブルを囲み、何となくの「場の雰囲気」ができるため、発言のタイミングを計ることや、書記役が記録している議論の内容の共有しやすいいが、オンラインとなると、この「場の雰囲気」を作り、参加するメンバー全員に発言の機会を促し、グループとしての結論をまとめるといった進行や、議論の内容を共有するための手段がとりにくいといった難点がある。
グループディスカッションの定石に沿って、進行役(司会)、書記、タイムキーパーなどを決めるが、その役にならなかったメンバーが進行役や書記をどうサポートするかもポイントになってくる。

今回のテーマは前半組が「五輪メダル獲得数を増やすためには?」、後半組が「若者の投票率を上げるための効果的な取り組みは?」であった。五輪も選挙も、セミナーの実施日に近いタイミングで行われていたことから、学生には取り組みやすいテーマであり、「大学生として」それぞれのテーマをどう捉えて、求められる結論に到達するかとなる。

学生は日頃オンラインでの授業などを受けていて、オンラインでのミーティングに慣れているのか、最初から積極的に発言が出て、司会、書記、タイムキーパーなどの役割もスムーズに決まり、議論が進行していった。面接官としては、画面にタイル状に並んで表示されているのを見ながら、どの学生が発言しているのか、その時他の学生は何をしているのかなど、注意を向けるところは多く、ディスカッション後には全員にフィードバックを行うことも考えると、メモも取っておく必要もあり、結構大変な作業とも言える。

学生にとっては、今の立ち位置から見える精一杯の情報を駆使して、提案や意見を出し合って、なんとか「グループとして」の結論に繋がった感じではあるが、グループの発表が過ぎると、緊張感が解かれるのが明らかに分かるところが微笑ましかった。

2グループのディスカッションが終了し、閉会式を経て「佐世保就職セミナー」は終了した。

ZOOMから「退出」し、こちらも緊張が解けたのか、ちょっと疲れた感じではあったが、この「心地よい疲れ」は、リアル開催の時に感じたものと同じだなぁ…と思いながら「令和三年度佐世保校就職セミナー」をやり切ったと感じた。

今回はオンラインでの開催という、初めての試みであったが、開催までの準備および当日の進行など非常にスムーズに進めていただいた就職課及び関係者の方々には、本当におつかれ様とお伝えしたい。

次はどういう形での開催となるかはわからないが、旧来のやり方に囚われず時代に即した、学生にとって有用なものとなるように、同窓会としても積極的にお手伝いしていきたいと、改めて感じた次第である。

以上。